「キャラが立つ」ということ

PCやNPCの設定や性格を作り込んでみても、「あれ? なんだかセッション内での印象が薄いな」と思ったり、「良いキャラになっている気がしないな」と思うことがあります。

逆に、「特に設定も背景も、それどころか名前すら決めていなかったポッと出のキャラクターが妙に印象強く残ったり、誰かに気に入られる」というケースもあります。

これの原因は「キャラ立ち」の仕組みにあります。キャラクター性とは、見た目や能力といった「外見要素」以上に、信念や行動理念、ギャップといった「内面要素」にこそ重要なポイントが潜んでいます。

キャラを立たせ、セッション内外でいきいきとした動きに見せるために、「キャラ立ち」の科学は役立ちます。

キャラ立ちについての誤解と要素

そもそも、「キャラクター」とはどういう意味なのでしょうか。辞書には「特徴」「性質」とありますが、それだけで理解できるなら誰も苦労しません。

TRPG、ひいては創作における「キャラ立ちの要素」とは、「外見要素」以上に「内面要素」が大切になります。これを理解し内面を意識したPCを作るだけで、格段に活き活きとしたキャラクターになることが期待できます。

多くの人が考える「キャラクター」がどういうものかは、そのほとんどといっていいほど「外見」に寄ります。男性か女性か、大人か子供か、身長体重は、見た目は、格好は、職業は、家柄は……といった具合です。

なぜなら、現実を生きている私たちも同じように、見た目で判断することがほとんどだからです。「人は見た目が9割」とは有名な言葉ですが、その通り見た目の印象を重要視します。

しかし、キャラクターを立たせようと思った場合、見た目以上に内面が重要になります。外見だけでは、魅力的なキャラクターにするには不十分といえます。

たとえば、「服を泥だらけにして夕方遅くに帰ってきて、玄関で母親に怒られる小学生の男の子」をイメージしてみて下さい。

情報がこういった「服を汚す」「親に怒られる」「男の子」という外見要素のみだと、この男の子がどういうキャラクターなのかを判断するのは困難です。

ガサツな子なのか、運動が好きなのか、ガキ大将気質なのか、それともいじめられっ子なのか……などなど、色々と推測はできますが、どれも憶測に過ぎません。これが、外見の限界です。

ここで、内面要素を織り交ぜていきます。たとえば「この男の子は、同級生が公園で失くした鍵を探していたから泥だらけになり、帰宅が遅くなった」という理由があったとします。

すると、この男の子の印象はガラッと変わると思います。少なくとも、外見のみの情報で判断していたときには「優しい」「友達想い」といった印象を抱くのは非常に困難だったはずです。

また、「鍵を失くした同級生」も、クラスメイトの女の子なのか、近所の子供や老人なのか、はたまたケンカ相手なのか……などなど、関係性という内面要素もまた男の子の性格・人格の解像度を上げるのに役立ちます。

このように、内面要素を足すことで、より一層「キャラが立っている」とセッション仲間に印象づけやすくなります。

外見と内面

では、何が外見で何が内面の要素になるのでしょうか。これが全てではありませんが、少しでも理解しやすいよう、一例を表にしました。

外見 内面
見た目 性格
家柄や家庭環境 言動
能力 好き/嫌い
職業 行動理念
置かれている状況そのもの 弱点
仕草や話し方 ギャップ

基本的にこれらの差の共通点は、「見ただけでわかるかどうか」です。視覚は他のどの感覚よりも強い・・ので、他人を判断するときによく頼りたくなります。マンガやアニメ、ゲームにおいても、一目見てキャラクターの印象を決めることは多いと思いますし、私もよくやります。

ですが、TRPGはキャラクターの外見や仕草、情景、場面の動きなど、視覚を使わずほぼ全てを想像を基に遊ぶゲームです。

オンラインで立ち絵を使う場合でも、アニメのように絵そのものが動くわけではありません。とくに、プレイヤーやマスターのRPのみで動かすオフラインにおいては、見た目は記号・・に位置を下げることになります。

なので、キャラクターを立たせるためには、より一層内面にあたる部分をいかに発信していくかが重要になります。

外見との組み合わせでより魅力的なキャラクター像に

では、キャラ立ちを考えるときは内面についてさえ練れば外見は不要なのかというと、そうではありません。外見は内面をより引き立たせる最重要パーツになります。

たとえば、「こわい人」について考えてみることにします。いくつか例をあげてみましょう。

  • コワモテで身長が高く、腕や手がゴツゴツしているスーツ姿の男性
  • 表情が薄く、笑っているのか怒っているのかわからない男性
  • 物凄い形相で睨む、腕を組んで立っているエプロン姿の女性
  • 長い髪の毛で顔がほとんど見えない、真っ白な服の女性

全て「視覚」だけで確認できる例ですが、これらがどう「こわい」のかはそれぞれ違うということがわかると思います。

更に、これらの人物が「素直に考えたらどんな性格、言動をするか」「どういう行動をすると意外な人物になるか」「どんな好き嫌いがあると面白そうか」など、内面をイメージするための軸にもなります。

また、モブやエキストラなど、特に重要ではないNPCを出すときなどは、外見のみを決めることがほとんどですし、問題ありません。そういったキャラクター1人1人の内面まで考えるのは疲れてしまいます。

そういったキャラクターに何の気なしに喋らせた言葉や行動という内面がプレイヤーのツボにハマったとき、"キャラが立って"印象が深く残る。これも、外見と内面が組み合わさることの一例です。

まとめ

キャラを立たせるためには、見た目や能力、立場といった外見の要素だけでなく、言動や行動、ギャップなどの内面についても考える必要があります。

といっても難しく考える必要はなく、データや設定を決める際についでに「このキャラクターはどういう性格だろう」「どういうギャップを持たせられるかな」などを1つ2つイメージするだけです。

セッションをより満喫し、後日仲間に「あのキャラクター、今でも思い出深いよ」。そんな風に言ってもらえる喜びを、是非味わってみて下さい。