PCが小物化してしまう理由

ゲストキャラやボスキャラとのやりとりや啖呵の切りあいは、魅力があるシーンです。

ただ、このときPCがゲストやボスキャラと会話する際、「説教で言い負かす」「ひたすらディスる、侮辱する」しかレパートリーがないと、相手だけでなくPCまでもが小物に見えてしまいます(小物キャラをそのPCの個性にしている、目指しているなら問題ありません)。

PCの格を下げ、小物化してしまわないためには、PCは否定一辺倒になるのではなく、相手を小物化しないよう心がけることが大切です。

言い負かしや説教がPCの小物化に繋がる理由

ゲストとの会話やボスとの啖呵において、「間違った言動を正す」ことや「正解、正義を語る」ことは、PCが活躍しやすい、スポットライトが当たりやすいため非常に使い勝手の良いムーヴのひとつといえます。

ただ、毎回言い負かし、説教、ディスりばかりになると、PCの格が落ちてしまう可能性が大きくなります。もしあなたのPCが(少なくともあなたや、世界観にとって)「カッコいいもの、立派なもの」として作っているなら、無闇にそういったセリフを使うことは控えた方が無難といえます。

なぜなら、ゲストやボスの格は、そのままそれらとやりとり・対峙するPCの格の高さに直結するからです。

たとえば、戦闘において「ボスの強力な一撃をPCが防ぐ」状況があるとします。

そのとき、PCのRPとしてこれらように描写できるとします。

  • ボスの攻撃が、実はショボかった
  • ボスの攻撃はしっかり強大なものだったが、PCの防御力はそれ以上だった

この2つのうち、どちらの方がカッコよく見えるでしょうか。もちろん、後者になるはずです。

数字を使うと、もっとわかりやすくなります。

  • 攻撃力10の攻撃を、防御力11で防いだ
  • 攻撃力10000の攻撃を、防御力11000で防いだ

結果としては同じ「攻撃を防いだ」ですが、後者の方がなんとなく「互いにすごい」という印象になりやすいことがわかると思います。

このとき、大切なのは数字どうとかではなく、ボスの力と、同時にPCの力をショボく見せるか強大に魅せるかは、マスターだけでなくPCのRPでも表現ができるということです。

これらの例では、いずれも「ボスの力を強く見せれれば、それが自ずとPCの力の強さも目立たせることに直結する」ことを表しています。

裏を返せば、「ボスをショボく見せる」ことは、そのまま「PCをショボく見せる」ことに繋がってしまうことになります。

圧倒的な差はミドルで表現すべき

ただ、1つ「コレはPCの格は落ちないのでは?」と思う現象があります。

それは、「10の力を、11000という圧倒的な力でねじ伏せる」ことです。

確かに、「圧倒的な力の差」のRPは、PCの強大さの表現として有効な方法の1つです。ですが、それをシナリオを通してRPし続けることは困難です。

なぜなら、PCは設定がどんなに格が高いものであっても、デウス・エクス・マキナとしての役割は求められないからです。

デウス・エクス・マキナとは、絶対的な力を持つ存在が込み入った物語を万事解決させることを指します。そして、PCはほとんどの場合、「登場したら即全てが解決する」ことを求められてセッションに参加することはありません。

では、どういった場面で「圧倒的な力の差」のRPを披露するのが良いのでしょうか。答えは登場シーンと、ミドルでの戦闘シーンになります。

登場シーンではPCの格の高さを表現するために適当な雑魚を出したりしても大抵の場合問題ありませんし、ミドルでの戦闘は敵との差が大きくとも構わず力を見せつけるRPができます。

あえて三下・小物のPCをしたい場合は有効

ここまで、PCの格を保つためには、ゲストやボスを不必要に下に見ないことを話してきました。

ただ、PCによっては、「三下キャラ・小物キャラをやりたい」という場合も考えられます。そういったときは、これらの「過剰な説教や挑発、言い負かし」は全てキャラ立てとして有効なRPの手段になります。

とはいえ、単純にそれらを連打しているだけでは、「小物キャラ」を通り越して「ただの嫌なヤツ」になってしまう可能性があります。憎めない小物キャラがどんな言動をしているかは、漫画やアニメ、ゲーム等で参考になるキャラクターを見ておくと良いでしょう。

ゲストやボスを立てることでPCの格も上がる

ゲストやボスを立てるというのは、何も褒めたりヨイショしたりしなければいけないということではありません。

そうではなく、不必要な侮辱を避け、マスターの描写に向き合うことが大切です。「罵倒ではなく、相手も自分もカッコよく見せるRPはどんなものがあるか」を考えると、あなたのRPの幅は一気に広がるでしょう。